先日は、心理カウンセラー仲間たちと「傾聴練習会」をしてきました。
だいたいの皆が、去年の11月に認定心理カウンセラーの試験を受験して受かった、心理カウンセラーの卵たちです。私もそうです。
皆、一通りカウンセリング心理学について色んなことを学んできたわけですが、心理カウンセラーというのも一朝一夕になれるものではなく、やはり日々の実践をしていないと力はついていきません。
そんなわけで、みんなで傾聴の練習会を定期的にしていき、技術アップを図ろう!という会が発足したのでした(*^-^*)
私自身、資格は取ったものの、まだまだ積極的な心理カウンセラー活動はできていませんし、日々の対人関係で悩むことも多いです。
どうも心理カウンセラーだから、しっかりしないと、とか、ちゃんとした答えをクライエントに示せるようにならないと!と、ついつい肩に力が入ってしまうのですが、そんなふうに思うたびに、未熟な自分を感じる事もしばしばあります。
そもそも、心理カウンセラーを目指す人たちというのは、対人関係が苦手であるとか、生きづらさなどを抱えてきた人が多いです。
そんな人たちが学校で心理学を学び、資格試験に合格したからと言って、ガラッと人間が変わるわけではありません。
悩んだり苦しんだりする弱い自分も、自分の中にまだまだ残っているなぁというのが正直なところなのです。
それでも、悩み苦しんでいる人に寄り添いたいと思うし、何か良いものを示すことができたら…と、そんな気持ちもあって。
これからの経験によって、自信をつけていくしかないのだろうなぁ…と思います。
そんなわけで、何か先輩方のアドバイスを頂きたいなという気持ちになったので、河合 隼雄先生の「こころの処方箋」を読みました。

河合 隼雄先生…
日本に心理カウンセリングを根づかせた故・河合隼雄。日本人として初めてユング研究所で学んだ。 河合の偉大さは、日本の文化に合わせた心理療法を確立したことだ。
google検索より
河合先生は、結構非行少年のカウンセリングもされていたようで、そのようなエピソードもちょくちょく出てきました。
また、クライエントに殺されたカウンセラーの話なども。
カウンセリングが進むにつれ、クライエントは本来憎んでいる相手への憎しみをカウンセラーに向ける事があります。これを「転移」と呼びます。
これはカウンセリングが順調に進んできている証拠でもあるのですが、場合によっては危ない状況でもあるのですね。
この本の中で、私が心に残ったエピソードは「ふたつよいこと さてないものよ」という回で、一つ良い事があると一つ悪い事があるものだ…という話です。
逆に言うと、一つ悪い事があったら、一つ良い事もあるものだ…という事でもあります。
例えば、大病をするというのは一見悪い事だけれど、それまでずっと働き詰めだった人が入院によって休息を得る…という良い面もあるのです。
そう考えると、人生のどんな出来事も、受け入れられるような気もしてきませんか?
私は人生で試練と感じるような事が起こって、その時は大変に苦しむのですが、むしろそれによって人生が好転してきたのかも…と思う事が多いのです。
今よりも、以前の自分の方が良かったとは一切思わないのです。
今の自分が一番いいと思います。
会社員時代の私は色んなものを持っていました。社会的信用もありました。
今の私は何も無いです。
でも、今の何も持っていない自分のほうが良いと思うのです。
何か身軽で…大好きな漫画を描くことができて、占いをしたり、心理学を学んだり。
今の私はローンの審査も通りませんし、社会的に立派なものは何もないのかもしれませんが、私は今の自分の方が好きです。
昨年の10月に最愛の祖母を看取りましたが、自分の選択によって祖母を看取れたのだという事実が、じわじわときてます。
喜びが、です。
私が私の選択で、自分の大切なものを守ったのだという感覚。
親の反対を押し切って、私が私の意思で、病院に残る選択をした事。
それによって大好きなおばあちゃんを一人で往かせずに済んだこと。
最後まで一緒にいれたこと。
こんなに嬉しい事があるでしょうか?
こんなに良かったことがあるでしょうか?
おばあちゃんがくれた最後のギフトは、私の何にも代えがたい成功体験だったのです。
祖母を看取った事は、私の人生における象徴的な出来事でしょう。
親の言いなりにならずに、誰の言いなりにならずに、自分で選択をして自分の責任で人生を生きていくのだ…と。
おばあちゃんを看取った事が、今、私の心に強い生きるエネルギーを与えてくれています。
これからも沢山悩むでしょうし、苦しい事もあるでしょうが…
自分で選択して生きていく人生は、どんな結果であれ最高なんだと。
そんなふうに思います。