乙女座(おとめ座)の神話は、ギリシャ神話に登場する農耕と豊穣の女神デーメーテールとその娘ペルセポネーの物語に由来しています。
この神話は、四季の誕生を説明するものとしても知られています。
ギリシャ神話のあらすじ
農耕の神の娘 ペルセポネー
デーメーテールは大地の実りを司る女神であり、人々に農耕を教えた神でした。
彼女の娘ペルセポネーは、美しく純粋な乙女で、母とともに自然の中で暮らしていました。
しかし、冥界の王ハデス(プルートー)はペルセポネーに一目惚れし、彼女を冥界へ連れ去ることを決めました。
ある日、ペルセポネーが野原で花を摘んでいると、突然大地が裂け、ハデスが黒馬の戦車に乗って現れました。彼はペルセポネーを攫い、そのまま冥界へと連れ去ってしまいます。
母の悲しみ
娘を失ったデーメーテールは悲しみ、怒りに打ちひしがれました。
彼女は世界中をさまよいながらペルセポネーを探し続けましたが、どこにも見つかりません。
この間、大地の女神であるデーメーテールは農作物を育てることをやめてエンナ谷の洞窟に閉じこもってしまいました。
それによって、世界は大干ばつに見舞われ、作物は枯れ、人々は飢えに苦しみました。
困った神々もこの異常事態に気づき、ゼウスはペルセポネーを返すようにハデスに命令しました。
冥界の掟
ゼウスの命令を受け、ハーデースはペルセポネーを地上へ帰すことに同意しました。
しかし、冥界の掟では、冥界の食べ物を口にした者は二度と地上へ戻れないという決まりがありました。
ハーデースは巧妙にペルセポネーにザクロの実を食べさせ、彼女が完全には地上に戻れないようにしました。
最終的にゼウスの仲裁により、ペルセポネーは一年のうち三分の二(春〜秋)は地上で母と過ごし、残りの三分の一(冬)は冥界でハーデースと過ごすという取り決めがなされました。
これによって、ペルセポネーが地上にいるときはデーメーテールが喜び、作物が育つ「春と夏」になり、ペルセポネーが冥界へ戻るとデーメーテールが悲しみ、大地が枯れる「冬」が訪れるようになったと言われています。
ゼウスは、この出来事を記念し、また娘を想うデーメーテールの慈愛を称えて、天に星座として彼女の姿を刻みました。
これが乙女座の起源とされています。
乙女座はこの神話から純粋さ、知性、慈愛、収穫と実りの象徴とされています。
また、乙女座が持つ「麦の穂」は、農耕を司るデーメーテールや、彼女が人々に授けた豊穣の恵みを象徴すると考えられています。
乙女座の性格
関連する世界の神話
冥界とこの世が描かれた神話としては、以下のものもあります。
国が違うのに、このような共通点が見えるというのはとても興味深いですね。
アリエス羊子の感想

アリエス羊子から一言★
個人的な推し天体が冥王星なので、ハデス(プルートー)の登場にテンションが上がってしまいました。
四季はこうしてできましたよ、というのが神話になっているというのは改めて面白いなと。
ハデスがペルセポネーを強引に誘拐して妻にする…というのは、冥王星の強引さが垣間見えますね。
農耕の女神の娘のペルセポネーという事で、真面目で堅実、こつこつと農作物や植物の成長を見守る様子が目に浮かんできます。
乙女座は「地」のサインなので、そのあたりもイメージがマッチしますね。
ハデスの好みの女性が、堅実で控えめな印象のペルセポネーというのも萌えなポイントですね。
類似の神話として、エジプトのオシリスとセト、日本神話のイザナギの黄泉の国訪問があります。
両方面白いので、ぜひ読んでみて下さいね★