ホラリー占星術とは、「ある質問をした瞬間のホロスコープ(星の配置)」 をもとに、答えを導き出す占星術の手法です。
通常のネイタル占星術(出生図)とは異なり、特定の問題に対して即座に答えを得るための占星術 です。
例えば、
・「無くした財布は見つかる?」
・「この恋愛はうまくいく?」
・「この仕事の面接は成功する?」
・「失踪した猫はどこにいる?」
といった 具体的な質問 に対し、その質問がなされた瞬間の星の配置を読み解いて答えを導きます。
ホラリー占星術の特徴
質問の瞬間が最重要
占う人(占星術師)が質問の内容を 真剣に受け止めた瞬間 を基準にホロスコープを作成します。
「何となく気になる」程度ではなく、心から知りたいと思った時 に質問するのが大事。
ネイタルチャート(出生図)不要
ネイタル(出生図)占星術のように、生年月日や出生時刻は不要。
「今、この質問をした瞬間」の星の配置だけで答えを出す。
具体的な問題に特化
「運命はどうなる?」のような漠然とした質問には向かない。
YES/NOの判断や、状況の進展を読むのに適している。
ハウス・惑星・アスペクトを重点的に読む
質問内容に応じて、関係するハウス(宮) を特に重要視する。
主にアセンダント(ASC)、月、ルーラー(支配星)、主要アスペクト を使って判断する。
ホラリー占星術の基本的なルール
質問のカテゴリごとに見るハウスが決まる
ホラリー占星術では、質問の種類によって 注目するハウス が変わります。
質問の種類 | 見るべきハウス |
---|---|
恋愛・結婚 | 7ハウス(パートナーシップ) |
仕事・キャリア | 10ハウス(社会的地位・仕事) |
お金・財産 | 2ハウス(収入・所有物) |
家・不動産 | 4ハウス(家・ルーツ) |
旅行・移動 | 9ハウス(遠距離移動)または3ハウス(近距離移動) |
失せ物 | 2ハウス(所持品)・4ハウス(家の中)など |
例えば、「この恋は成就する?」 という質問なら、7ハウスの支配星と質問者(1ハウス)の支配星の関係性をチェックします。
惑星の配置で結果を判断
ホラリー占星術では、質問に関わる惑星同士のアスペクト(角度) が重要です。
良い兆候(YESの可能性が高い)
吉星(木星・金星) が関与している
関連する惑星が 合(コンジャンクション)や調和のあるアスペクト(トライン・セクスタイル) を作る
月が良い位置にある
悪い兆候(NOの可能性が高い)
凶星(土星・火星) が強く影響している
関連する惑星が 衝(オポジション)やスクエアを作る
月がボイド(Void of Course=他の惑星とアスペクトを形成しない状態)
月の状態が特に重要
ホラリー占星術では、月の位置とアスペクト が全体の流れを決定します。
月が強い(質問に答えやすい)
月がアングル(1,4,7,10ハウス)にある
月が良いアスペクトを形成している
月が「ボイド」になっていない
月が弱い(判断が難しい)
月がボイド(Void of Course)→「状況は進展しない」「結果は変わらない」
月が減衰するサイン(山羊座など)にある
具体的なホラリー占星術の例
例えば、「彼から連絡は来るか?」と質問した場合。
①質問した瞬間のホロスコープを作成
②自分(質問者)を示すのは1ハウスの支配星
③彼を示すのは7ハウスの支配星
④1ハウスと7ハウスの支配星が良いアスペクトを形成しているかをチェック
⑤もし 金星と火星がトライン(120°) なら、「YES、連絡が来る可能性が高い」
⑥もし 月がボイドで、土星が関与している なら、「NO、連絡は来ないか遅れる」
まとめ
・ホラリー占星術は、「質問した瞬間の星の配置」 で答えを出す占星術
・ネイタルチャート(出生図)は不要
・質問の種類に応じて見るべきハウスが決まる
・惑星のアスペクトでYES/NOを判断
・特に「月」の状態が重要
「今この瞬間の星の配置が答えを示す」という考え方が面白く、占星術の奥深さを感じられる手法です。